家づくりにはまず予算があります。

リフォームでも新築でもまず初めに予算を確認させてもらいます。

新築の場合は各社それぞれの仕様に基づいておおよその坪単価は

決まっているので予算さえ折り合うのならば話は進めやすいです。

しかし、最近多くなったリフォームはやり方によって工事費は変

わります。

どこまでやり替えるかですが、ここに屋根の葺き替えが入ると

工事費はグンと上がります。

特に古民家のように和瓦などは撤去処分費もかかれば施工費も

ガルバやセメント瓦に比べて高くなります。

しかし、屋根というのは一番大事な部分です。

いくらいいものを造っても雨漏れがあってはどうにもなりません。

構造も大事です。

こちらも「もし大きな地震が起きたら」と思うとやはり補強して

おいた方がいいと思います。

避難のための時間を稼ぐ、被害は出ても倒壊を防ぐといった対策は

しておいた方がいいです。

古民家のような伝統工法の家は耐震評価をするとだいたい「倒壊の

危険性あり」となりますが、無理なリフォームをしていなければ意外

と倒壊しにくいのではないかと思います。

今までに何度か地震に遭遇しているはずでそれでも残っていますから。

経年による劣化は否めませんが。

 

私は上記のように家を長持ちさせる方に予算を使ってもらいたいですが、

施主さんはそこよりも目に付くところ、普段の生活に結び付くところ

に予算を割きたくなります。

もちろんその気持ちもよくわかります。

いくら丈夫にしたところで生活が改善されないのではリフォームの意味

がありません。

なるべく予算に合うようにプランを建てます。

といってあまり絞り込んでしまうと理想から遠ざかってしまいます。

より理想に近いプランからスタートして少しづつ予算に近づけていく。

打合せの最初のほうはだいたいこの繰り返しです。

 

「クレヨンしんちゃん」という漫画をご存じでしょうか。

私も息子が小さいころ、30年ほど前でしょうか、何度か見たことがあります。

あのとぼけた子供が出てくる漫画です。

このお父さんは冴えない感じのサラリーマンですが、庭付き1戸建ての家に住み

二人の子持ちでワゴン車に乗っているそうで、35才でありながら年収は650万

だそうです。

漫画ですから、ごく平均的な家族を描いているはずですが、ずいぶん裕福です。

ちなみに現在、ネットで35歳の平均年収を調べてみると459万でした。

30年ほど前は景気が良かったのでしょうか。