「古民家は暗い」とよく言われます。

実際家の中が暗い古民家は多いです。

しかし、同じような間取り、造りのはずなのにそれほど暗く感じない

家もあります。

どこが違うのかと言われるとはっきりとは言えないのですが、立派な

お庭、前栽があるほど植栽のせいか暗く感じます。

また室内の壁の色にも影響すると思います。

離れなどの付随した建物がない家も明るく感じます。

黒光りした梁は当然暗く感じますが、漆喰の白い壁は反対に引き立ちます。

もともとあまり光を取り入れることを嫌う家づくりですから、深い軒や前栽

などは古民家にとっては必要なものです。

 

このような家で暮らしてきた経験のある人はどうしても光をたくさん取り入

れたくなります。

新築する場合は自分が望むように光を取り入れた間取りを造ることができます。

しかし、リフォームとなると一からプランを作るようにはいきません。

特に古民家は日当たりのいい南側に座敷があります。

これはそのまま残す人が多いです。

日当たりのいいところは限られてきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

実際は北側の光もいいものです。

日差しに左右されない安定した光があります。

しかし、ほとんどの人は太陽の光がさしてこそ明るいと感じます。

ところがこの日差しを求めて家づくりをすると意外なデメリットもあります。

今まで直射日光が差し込まない部屋で生活していたところに夏の強い日差し

が入り込むことになります。

以前に新築させてもらった方で昔ながらの暗い部屋で生活してきた人でしたが、

どうしても日差しを取り入れたいので南側を大きく開口してほしいと言われて

そのように家づくりをさせてもらいましたが「これほど日差しがきついとは思

わなかった」と言われたことがあります。

実際に体験してみないとわからないことです。

 

当社のモデルハウスには北側にウッドデッキがあります。

お客さんに提案したことがありますが、北側にウッドデッキを付けようとする

人はいません。

太陽が当たる側に付けるものという固定観念のようなものがあります。

しかし、実際に真夏に強い日差しを浴びながらデッキで休む人はいません。

物干し場ならばそれでいいですが。

 

 

 

 

 

 

時々、北側の屋根にガラスの瓦を提案させてもらうことがあります。

アルミ製のトップライトよりは防水性、耐久性がいいと思います。

どうしても北側の部屋を使わざるを得ないとき、北は山が迫っていて

明かりが期待できないときなどは有効です。