日本家屋独特の縁側です。

屋根の下でありながら半分外のような扱いになるあいまいな場所です。

現代の家にはほとんどありませんが、若い人にアンケートを取っても

一番印象に残っているというのも縁側だそうです。

昔は農家さんなどでは干し物をしたり作業する場所としても使われたようです。

土間なんかはそうですね。

雨の日に屋内で作業できるところです。

大変よく考えられた空間ですが、いざ断熱しようと思うと難しい空間です。

古民家にある縁側は雨戸しかない家が多いです。

しかも一本の溝に建具が吊り込まれているので一番端にある戸袋まですべて

を引き込まなければなりません。

閉めた状態では真っ暗ですから、面倒でもその作業が必要です。

たいがいは木製建具ですがそれがガラス戸の場合もあります。

同じく一本の溝に吊り込まれているので風を入れようとすると建具を外すか

一番端にある戸袋に入れるかしなければなりません。

開放しなくても光は入りますが、強風時はちょっと怖いですね。

 

断熱するには雨戸の部分に断熱性能のいいサッシを立て込むのは一番簡単です。

縁側も一緒に断熱できます。

しかし、外観は古民家らしさはなくなります。

最近は両側に引き込むことができるサッシもあるので戸袋を木で造作すれば

少し雰囲気は出すことができます。

次に外側の建具はそのままにして和室の間にある障子の部分で断熱する方法です。

障子を樹脂製のサッシに変えればそこで断熱することができます。

障子を袋貼りと言って両面に障子紙を貼って断熱することもできますが、樹脂

サッシほどの断熱性は期待できません。

そして外部にペアガラスをはめ込んだ木製建具を設けるという方法もあります。

外観はあまり損なわず内観も違和感はありません。

そしてある程度の断熱はできます。

気密性はあまり期待できません。

しかし、これは少々高価です。

断熱性のいい木製建具を製作しているところはあります。

ある程度気密性も考慮してありますが、これもかなり高価です。

悩みどころですが、ここは施主さんに費用対効果を判断してもらうしかなさそうです。

 

 

 

 

 

 

以前お邪魔した古民家です。

縁側でお茶の葉を乾燥させておられました。