こちらは新築の家です。

リフォームで古民家を扱うことが多いのですが、古民家に使われている

材料と同じで新築の家も構造材は自然乾燥材を使っています。

今では機械乾燥された構造材が一般的です。

古民家ほどの大きな部材は使っていませんが、将来古民家といわれる

ほど長持ちすればと思っています。

パッシブソーラーハウスで特殊な断熱通気工法(エアパス工法)を採用

しています。

天井の断熱は屋根の面で行います。

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断熱材を敷きこんだ上に通気の胴縁を取り付けます。

家の中から屋根を見上げるとこんな感じです。

室内の仕上がりは大壁になることが多いですが、壁体内通気で構造材

に湿気がたまらないようになっています。

構造材を空気の通る良い環境に置くことで長持ちさせます。

 

古民家といわれるような家は屋根は基本瓦屋根で土葺きとなっています。

熱を遮るという効果はありますが、断熱ということは考えていません。

和瓦を葺くには土を敷くのが一番適していたのでしょう。

材料もどこでも取れます。

また屋根をそのように重くしたのは上棟後に屋根の重量で家全体を

落ち着かせる役目もあったといわれます。

また、期間を置くことで木の乾燥を促したのかもしれません。

私がこの業界に入ったころ、約30年前ですが屋根が完成するまでは

内法材といって出入り枠や窓の枠などの施工するものではないという

のが一般的でした。

屋根の重みで家はある程度下がるもの、また家の中の造作は構造材が

落ち着いてからという家づくりの基本のようなものがあったのでしょう。

構造材も機械乾燥のような材料はありませんでしたから。

今ではそのような作り方をしているところはありません。

材料も十分乾燥していますし、屋根に重量をかけることもしません。

時代の流れで家づくりも随分変わってきたと思います。