断熱は家全体をすっぽり包むことで完成します。
壁の断熱材は壁の中または壁の外側に設置し、屋根は天井裏
又は垂木、母屋間に設置します。
床は写真のように基礎断熱にするか根太間または大引間に
設置します。
どこに断熱層を設けるかは自由ですが、設置する場所によって
空間は広くなったり狭くなったりします。
屋根の場合は天井裏に設置すれば天井は水平天井になり、垂木、
母屋間に設置すれば勾配天井にして天井を高くすることもできます。
床はどこに設置しても部屋を広くすることはできませんが、基礎断熱
にして床下も部屋と同じ空間にした方が床下環境は良くなります。
床下の温度が極端に下がることがないので相対湿度を抑えることが
できます。
しかし基礎断熱は土間のコンクリートがあることが前提になりますから、
基本的に新築工事に採用することになります。
こちらはリフォームの現場です。
古民家では基礎はありませんし、築50年位の家では土間は土のままで
布基礎が採用されていることが多いです。
そんな時は根太間または根太なしの大引間に設置するしかありません。
基礎断熱は比較的新しく昔はみんな根太間に断熱を入れてました。
それ以前は床下に限らず断熱材自体がありませんでした。
壁に中には土壁があるだけでも良かったですが、土壁が採用されなく
なってしばらくは壁の中は単なる空間でした。
まだ断熱、気密の技術的な仕様が確定されないまま断熱材が施工された
時期はよく壁の中で結露を起こしました。
場所によっては雨漏れかと思われるほど室内側にシミができることも
ありました。
その頃のことを思えば今では断熱の技術も格段の差があります。