10年くらい前になるでしょうか。

古民家を改修させてもらったときの写真です。

新しく造る壁も土壁にしてほしいというので小舞を

編んで土壁を塗りました。

小舞もいい竹がなかったので杉の木を引き裂いて

木小舞で施工しています。

土壁は屋根の瓦を降ろしたものを練り直して塗りました。

古民家のリフォームなら今でも土壁を施工しているところ

があるかもしれませんが、ごく少数でしょうね。

昔は土壁用の土も簡単に手に入りましたが、今ではあまり

扱っていないようです。

新築では特殊な建築物でもない限り土壁はないでしょう。

 

古民家の改修でも新たに土壁をつくるようなことはほぼ

ありません。

断熱性能を求める人が増えましたから土壁では確保できません。

一方耐震では土壁と同じくらいの耐力を持った荒壁パネルは

あります。

土壁と同じくらいの調湿性や蓄熱性はあるかもしれません。

 

現代のように断熱性能や耐震性能、省エネ性を求めるように

なると古民家のような家づくりはできなくなると思います。

地産地消で自然循環型といった理想的な面はありますが特殊

な建築物を除いて今ある家をできる限り残していくくらいが

今できることです。