古民家のような昔の家には通り土間がよくありました。

多分農家住宅ですね。

私の実家もそうでした。

農作業をして帰ってきても昼はそのまま土間の続きに

ある台所で靴を履いたまま食事をしてました。

調理場、水回りが土間にあると少しくらい水をこぼしても

なにも問題ありません。

しかし、主婦の立場に立つとこれは不便です。

食事の準備をするたびに土間に降りなければなりません。

そして夜の食事は土間の横にある板の間でしたから流しと

板の間を行ったり来たりでした。

今ではほとんどの家が改修して土間を無くして床が組ま

れています。

当然そうなります。

しかし通り土間は他にも便利なことがありました。

田舎では近隣の方とのかかわりが結構あってよく近所の人が

訪れては通り土間の横にある板の間に腰かけて話し込んでました。

井戸端会議のようなものです。

上(床)に上がるほどでもない、土間に来てそのまま板の間に腰

かけるだけでちょっとした茶の間になってました。

そしてこの時期になるとツバメが土間の天井のササラ桁に巣を

つくってました。

最近ツバメの雀も少なくなりました。

家の形が巣をつくりにくくなってしまったのも原因かもしれません。

昔は入母屋や軒下、土間の天井といった巣をつくるのに便利な空間

がありましたが、今はありません。