竿縁天井の和室です。
天井板を竿で受けたような造りになっている天井です。
底目天井と言って竿がなくて目地が凹んでいる天井も
あります。
この竿は床の間と平行に配置します。
これを床に向かって並べるのは「床差」と言ってしては
いけないことになっています。
畳も同じで床の間の前には平行に一枚の畳を敷きます。
これを縦、横に敷くとヘリが床の間に向かって差すことに
なるのでこれも床差と言ってしてはいけないことになって
います。
どうしてかはわかりませんが、作法のようなものです。
竿縁天井は真偽のほどはわかりませんが、床の間は殿様が
おられるところで「弓矢で敵に襲われたとき天井を滑るよう
に飛んできた矢が竿に引っ掛かるように平行にした」と聞い
たことがあります。
また床の間の上には「落とし掛け」という垂れ壁があります。
その垂れ壁の裏側は左官の仕上げをしないことがありました。
家は完成してしまうとあとは経年劣化をしていくだけになるので
塗り残しをして「未完成のままで置いておくのがいい」とされた
ことがあります。
今ではそれをすると「忘れてますよ」と指摘されそうですが。