造作の枠材です。
建具を吊りこむための枠材です。
新建材の既製品もありますが、当社ではすべて杉や桧の板を
加工しています。
取り付けるとこのようになります。
自然の木で造った枠がいいか、新建材の枠がいいかは
暮らす人の好みです。
床は杉や桧の床板を貼っても出入り枠は新建材を使って
いる家もあります。
それでも自然素材の家っぽくは見えます。
この出入り枠を自然の木で造るには難しいわけではない
ですが、それなりに技術が要ります。
まず自然の木ですから鉋(かんな)で木の表面を仕上げる
必要があります。
次に仕上げた木に溝を掘る必要があります。
溝を掘るにはそのための器械と鑿(のみ)が必要です。
組み立て方は同じです。
材料を切断するための鋸は誰でも使いますが、鉋と鑿は誰も
が使える道具ではありません。
またそれを使うには刃を研ぐ必要があります。
自然の木には規格品はありませんから現場に合わせて造ること
ができるという融通性があります。
自然の素材で出入り枠を造るとこのように加工のための手間と
それなりの技術と道具が必要になります。
手間がかかれば当然施工費もかかります。
自然素材がいいと思ってはいてもこのあたりが誰もが自然素材で
造らない障壁のようなものかもしれません。
自然素材にこだわらず新建材で造った家も立派な家です。
しかし若い人でもこのような手間をかけるのが好きな人がいます。
そんな人が大工さんになろうとします。
同じ大工さんなら手間がかかる仕事ができたほうが楽しいと思います。