古民家に伺っています。

私はこのような家が好きです。

住宅に携わる人なら古民家が好きな人は多いと思います。

しかし、同じ業界でも古民家は嫌いな人もいます。

寒い、暗い、暮らしにくいといったイメージが強いのかも

しれません。

私はできるならばこのような家は残しておきたいと思います。

今では造れないと思うからです。

造れたとしても相当な費用が掛かります。

材料も簡単には手に入らないでしょう。

できる職人さんも限られていることでしょう。

しかし、このような古民家を維持していくのは簡単ではありません。

どの古民家も大きいです。

長持ちするとはいっても維持管理は必要です。

このような古民家が造られたころは家は代々住み継がれていくもの

という認識のようなものがありました。

おそらく少なくとも「孫の代まで」と思って建てられたことでしょう。

家というのは高価なもので簡単には建てることができなかったもの

でもありました。

しかし、時代が変わり工業生産できるようになると比較的安価に

家づくりができるようになり核家族化していきました。

誰もが1戸建てに住めるようになったのはいいことですが、そのころ

からこのような代々住み継がれていく家は取り残されていくであろう

ことはわかっていたのかもしれません。

このような古民家を活用していこうとする動きはありますが、空き家

になろうとしている古民家もたくさんあります。

なるべくならば、次の世代の人が家の寿命が尽きるまで住み継いでくれ

ればとは思いますが、他人が決めることではありません。

もし、リフォームとなれば可能な限り安全に、暮らしやすい家に。

建て替えとなればできるだけ思いの詰まった木材や造作を再利用させて

もらうだけです。