完成間近の家です。

写真でも大体わかると思いますが、天然の木を使って家づくり

をしています。

集成材や輸入材は使っていません。

天然の木も乾燥の仕方によって「機械乾燥」と「自然(天然)

乾燥」の木があります。

どちらもメリットとデメリットがあります。

当社は「自然乾燥」の木を使っていますが単純に伐採製材後に

1年から2年ほど放置しておいてもらいます。

今回のウッドショックではその在庫があったのであまり影響が

ありませんでした。

 

 

 

 

 

 

自然乾燥のデメリットは伐採してから材木として使うのに時間

がかかる、「干割れ」というひびが入りやすい、完全に乾燥し

切っていないので収縮を起こすといったことがあります。

この「ひび割れ」なんですが「大丈夫なのか」と思われるよう

ですが、木材の断面を貫通するようなヒビでもない限り強度上

の問題はありません。

乾燥で収縮するということは木の密度が高まって強くなるとい

うことです。

また見た目が良くないとも思われますが、天然の木の宿命です。

一方の機械乾燥ではこのひび割れはかなり抑えることができます。

天然よりもよく乾燥しているからです。

また短期間で乾燥させることができる、すぐに使えるというメリット

があります。

これがコスト面でのメリットとも言われますが、なにもそんなに急

いで使わなくてもいいのではと思いますし、乾燥のための燃料代は

結構かかります。

この機械乾燥も低温、中温、高温と種類があるようで低温になるほど

時間はかかりコストもかかります。

しかし、高温になるほどその木材の圧縮強度及びせん断強度は落ちる

との実験結果があります。

おそらく木の成分を傷めるのでしょうね。

また何より強度に影響するのが内部割れと言って表面ではなく内部で

できるひび割れです。

これは外から見てもわからず木口を見ればわかります。

しかし、そのまま使ってしまってもわかりません。

 

 

 

 

 

 

どんな木材を使っていても真壁や化粧梁のように柱や梁が見えるような

造りでもないかぎり完成すればわかりません。

また見えるところだけ自然素材を使っている家もあります。

個人的には見えないところの方が大事だと思うのですが。

 

この家は3月19日(土)・20日(日)に完成の見学会をさせていただきます。

建て替えなので前にあった家の古材も使っています。

写真の大黒柱もそうです。

大工さんの手刻みの家です。

長期優良や低炭素の認定も取っています。

せっかく家づくりをするなら、いろんな家を見て参考にしましょう。

誰しも長持ちする家が欲しいはずです。

それなら自然の木を使ってある程度の性能が表示されている家がいい

と思います。

木材にも関心を持ってもらえると嬉しいです。