どこの家にも必ずある窓、サッシの話です。

この開口場が大きいと部屋も開放感が出て明るくなります。

プランを立てる上でもこの窓は大事です。

最低限守らなければならない大きさもあります。

採光と換気のためです。

これが足りないと居室として認められません。

以前、小さな「書斎」を計画させてもらったのですが、プラン上

採光が取れず、申請時に「納戸」で申請したことがあります。

「納戸」は「居室」ではないので採光、換気面積を満たす必要は

ありません。

このサッシ、開口部は大きくとるのがいいように計画されること

が多かったのですが、この開口もやや小さくなる傾向にあるよう

に感じます。

開口が大きいと日射がきつくなります。

また断熱性の面でも不利です。

窓は壁よりも断熱性能が低いですから。

強度の面でも壁は多いほど有利です。

生活の面で見れば窓が多い、大きいほど家具などが置きにくく

なります。

 

そこでサッシの断熱性能なんですが、各サッシメーカーさんは工夫を

凝らして断熱性を向上させていますが、世界的にはまだ日本は遅れて

います。

各サッシ、ランクにより多少の性能の差はありますが、私はあまりメー

カーにはこだわりはなく、適宜提案をさせてもらっていました。

ところが先日、あるサッシメーカーさんの知り合いからこのメーカー

さんのサッシは断熱性が優れていると聞いてこのメーカーのサッシを

使ってほしいと言われました。

正直「大差ないですよ」とは思いましたが、施主さんの要望です。

一般の消費者さんはサッシというとあのガラスが組み込まれた状態の

製品のことと思われていますが、サッシメーカーさんが造っているのは

あのフレームの部分であって、ガラスは別のメーカーさんが造ってます。

ですからフレームは変わっても肝心のガラスは同じです。

もちろんフレームの断熱性も大事ですが、どう見ても断熱に影響するのは

ガラスです。

そのガラスはどこのメーカーも同じです。

そこで何気なくガラスを調べたところ、同じペアガラスでも

・空間に乾燥空気を充填したもの

・空間にアルゴンガスを充てんしたもの

・どちらかのガラスにLow-Eを施したもの

があって、下に行くほど断熱性が上がります。

ところが、カタログをよく見てみるとガラスに空気層を造るための周囲に

はめ込むスペーサーがあります。

これがほとんどアルミ製ですが、樹脂製もあります。

これが窓ガラスの断熱性に大きく影響しています。

そこで代理店さんに問い合わせました。

すると樹脂製のスペーサーはほとんど使われておらず、当然値段も上がるし、

掛け率まで変わるという返答でした。

サッシ屋さんですから、おそらくガラスに関しては確かな返答はできないん

でしょうね。

よく調べてみるといろいろありますね。

(現状、スペーサーはほぼ100%アルミ製だという記事があります)