新築の家の構造材が入荷されました。
これから墨付け、刻みの作業に入ります。
材料は天然乾燥材を使っています。
天然乾燥材を墨付け、手刻みで加工している工務店は少なく
なったと思います。
天然乾燥材は伐採後、葉枯らし乾燥してから玉切りして山から
降ろし製材後しばらく放置して行います。
機械を使わないで風や太陽熱を使って乾燥させたものです。
現代住宅に使われている構造材はほとんどが機械乾燥材だと
思います。
天然乾燥材は乾燥までに数か月から数年かかります。
その間にカビや菌でダメになることもあり、用地の確保や管理
が必要になります。
生産効率からすればやはり機械乾燥がいいですが、化石燃料を
使いますし乾燥機も安いものではありません。
天然乾燥材と機械乾燥材の違いと言えば、香りと色艶です。
機械乾燥は水分と一緒に油分も抜けてしまい本来の色つやが
なくなります。
又高温で乾燥させると細胞を傷め強度不足を伴うことがあります。
一方、機械乾燥は任意の含水率を設定できるので寸法の安定性が
よくなります。
天然乾燥材は色艶の良さや細胞が傷められないといったメリット
はありますが含水率をコントロールできません。
桧と杉では杉は乾燥のばらつきが大きいです。
乾燥による収縮や表面割れが生ずることがあります。
現代のように高気密を要求されるような家では機械乾燥のほうが
構造材としては適しているかもしれません。
それぞれメリットとデメリットがあります。
化粧梁でもない限りどちらを使って家づくりをしても完成すれば
わかりません。
しかし家づくりはより自然に近い、環境に負荷の少ない方法で造る
のが一番だと思います。