上棟が終わって養生してます。

最近時々、写真のように家全体をシートで包んで養生して

いる家を見かけるようになりました。

現場美化及び養生の徹底のような風潮があります。

確かにこうしておけば少々雨が降っても木が雨に打たれる

ことは防ぐことができます。

木造の場合は木が雨に打たれることをすごく気にする施主

さんもいます。

もちろん濡れないに越したことはありませんが。

 

家づくりも経済性が重視されるようになりいかに効率よく

施工するかという造り方に変わってきています。

プレカットや乾式のサイディング、既成の枠材など現場での

施工手間を可能な限り少なくして早く造る、工期を可能な限

り短くする傾向にあります。

ハウスメーカーなどは1件の家に何人もの大工さんを入れて

無理やり短い工期に間に合わせることもあります。

また、今の家づくりはそれができます。

 

私がこの業界に入ったころ、30年以上前です。

プレカットが出始めて間もないころです。

「工場に日本一の大工さんがいます」というキャッチフレーズの

ポスターが玄関ドアに貼ってありました。

今にして思えば、ずいぶん大工さんを馬鹿にしたポスターでした。

それでもまだ地元で頑張っている一人親方の大工さんもいました。

和瓦を載せる和風の住宅などは上棟した後、瓦の工事が済むまでは

造作をしませんでした。

瓦で家に荷重をかけて軸組が落ち着くまでは造作をしないという

習慣のようなものがありました。

おそらく石場建ての家づくりの名残だったのでしょう。

石は不動沈下することがあります。

重みをかけて落ち着かせてからでないと造作はできなかったでしょう。

また、その間に木の乾燥も進みますからちょうどよかったのでしょう。

 

しかし、現代の家づくりではそんなゆっくりとはしてられません。

また、鉄筋コンクリートの基礎と乾燥材を使っていれば必要のないこと

かもしれません。

瓦も今では土葺きはめったにありません。

ほとんどが桟葺きです。

そういえば先日施主さんから「土を使わずにどうやって瓦を葺くのか」

と聞かれました。

「今は瓦を木の桟に引っ掛けて釘打ちします」

今ではこれが一般的です。