私が住んでいる家は、私が28歳の時に建ててもらった家です。

ですから築35年になります。

そして昨年、リフォームをしました。

 

新築した当時、私はまだこの建築業界にいなかったので家づくり

はほぼお任せでした。

これといった要望もなく家内の親と私の親が「これがいいだろう」

くらいの感覚で建てた家です。

今、真剣に家づくりを考えている人にとっては「そんな家づくりが

あるのか」くらいに思われるかもしれません。

しかし、実際大工さん任せの家づくりは普通にありました。

「家づくりの素人が色々口出ししても仕方ない」そんな風潮も

あったと思います。

建売住宅を購入した人でも「間取りの図面だけを見て契約した」

といったこともありました。

家が持てるというだけでも良かったのでしょうね。

実際、その年代の人の家づくりにかかわると「今度こそは」と

真剣に取り組む人もいれば、あてがいぶちで生活してきたので

「どんな要望を言えばいいのかわからない」という人もいます。

 

ところが、現代は情報過多のなか綿密な打ち合わせを数か月かけ

て行うなどは当たり前のようになっています。

もちろん一生に一度、しかも生命保険までかけて大きなお金を動

かすのですからこれが本当なのではないかと思います。

 

私がこの業界に入って32年になりますが、その間にも家づくり

はどんどん変わっています。

法令も変われば新しい工法も出ます。

どんどん家が建つ時代もありましたが、今では減少傾向にある市場

をメーカーをはじめ工務店が取り合いをしている状態です。

私の家は田舎なので敷地はほどほど余裕があったので床面積は45坪

ほどありました。

子供は男ばかり3人です。

おかげさまで家族5人が住むには十分な広さがありました。

 

家ができてから、この業界(工務店)に入ったのですが、その時すで

に家づくりは大きく変化していました。

私の家は土壁でほとんどの部屋が真壁と言って柱が見えている造りです。

窓はもちろん単板ガラスです。

壁はほとんどが聚楽と言われる左官仕上げ、台所は耐火性のある建材で

覆われてました。

浴室、トイレ、台所の壁はタイル貼りでした。

ところが、施工している家に行くと室内の壁はほとんどがクロス張りです。

内装建具は既製品のドアが並んでます。

私の家は建具屋さんが造ったもので和室が多く引き戸がほとんどでした。

窓もおしゃれな出窓があります。

浴室はユニット、キッチンは当然システムキッチンです。

「ずいぶん自分の家と違うな」と感じたものです。

そして、こんな家がいいなとも思ったものです。

自分の家が古臭く感じたんですね。

しかし、その後20年ほどハウスメーカーさんに付き合ってきましたが、

却って自分の家の良さがわかるようになりました。

デザインの面でも地震対策や断熱性についてもメーカーさんの家は優れ

ていました。

しかし、使っている材料は言葉は悪いですが、ほぼ作り物(偽物)です。

その点、自分の家はよく見るとどんなところも「本当の木」が使われて

いました。

そしてシックハウスの原因になるものはあまりありませんでした。

寒いと感じる土壁も今では施工してくれる人を探さなければならない

ものです。

どんな分野においても技術は日進月歩していますが、必ずしも新しい

ものがいいとは限りません。

新しい設備や建材は確かに気持ちのいいものですが、古くなれば傷む

一方です。

それならば、経年変化が楽しめる家のほうが愛着がわくと思います。

生活様式の変化には対応できませんが、永く住める家づくりがこれか

らも続けばいいと思います。