床の間ですが、これを造る家は少なくなりました。

私の家にはまだありますが、考えてみればこれは何のためにあるのでしょう。

調べてみると、

正しくは「床」で「床の間」は俗称だそうです。

床とは坐する場所、寝る場所という意味で奈良時代では身分の高い貴族が

座る場所を一段高くしたことが始まりのようです。

また「とこしえ(永久)」という意味もあって家の繁栄を象徴するもので

もあります。

床の間はその後、書院造などで豪華になっていきましたが、千利休が「わび茶」

を浸透させたことで規模が縮小されたといわれています。

床の間の始まりは身分の高い人が座る場所でしたが、時代と共に目的が変わって

いって、掛け軸や生け花などを飾る場所になり、掛け軸を変える習慣もなくなり、

床の間そのものも省略されるようになったようです。

写真は当社がよく造る月見床ですが、人が座ることはもちろん、掛け軸も掛けら

れそうにありません。

飾り床ですね。