石場建という古民家特有の伝統工法の家です。

最近はこのような家ばかりリフォームさせてもらっています。

それだけたくさんの古民家があるということです。

だいたい築年数が100年を超えるような家が多いので

今お住まいの方に訊いてもいつ頃の建築かわからないこと

もあります。

70歳くらいのご主人が子供のころからこんな状態だった

ということは普通にあります。

さすがにそれくらいの築年数になると床板や畳、その下にある根太、

大引は腐朽やシロアリの被害を受けていることが多くなります。

しかし、現代の家のようにコンクリートの基礎がないのでリフォーム

しやすい構造の家でもあります。

石の上の載っているだけという何とも単純な造りですが、それなりの

耐震性、柔構造を備えた家です。

大工さんの継ぎ手や仕口、幾重にも重ねるようにした構造はよく考え

られたものです。

それぞれの柱が独立基礎の上に建っているようなものですから、不同

沈下はもちろんありますが、ジャッキアップすることもできます。

本格的に耐震補強をするとなると特殊な計算(限界耐力計算)や家を

持ち上げて基礎コンクリートを打設するといった在来工法に変えて

しまうことが必要になります。

暑さ、寒さに対しては断熱性もなければ気密性もありませんから、

現代の家のように対処することは難しいです。

改修して住み続けるという人もいれば、思い切って建て替えを検討する

人もいます。

ただし、同じ家は建てられないという気持ちはほとんどの人が持っている

と思います。