古民家は寒くて暗いというイメージがあるようです。

現代の家に比べればもちろん寒いと思いますが、一般の家の

断熱性が良くなったのはここ20年位ではないでしょうか。

それ以前の家なら古民家でなくても寒かったと思います。

30年くらい前の家では大した断熱材も使われていませんでした。

リフォームしてみるとわかりますが無断熱の家もありました。

 

 

 

 

 

 

古民家は寒いというのは「ポツンと一軒家」ではないですが

「寒いところに建っている」というのも原因かと思います。

仕事柄古民家にお邪魔する機会が多いですが、暖かそうな

市街地にはあまり古民家はありません。

 

暗いというのは確かにあります。

何しろどの家も大きいですから部屋の真ん中まで光が届きません。

日当たりのよい方位にある座敷でも縁側が間にあります。

畳が焼けるのを嫌って直接日差しが入らないように造られています。

夏涼しく暮らせるようになっています。

 

 

 

 

 

 

古民家のリフォームは改装程度で済むことは少なく、床や壁といった

構造材を取り換えることもあります。

内装材は建築当初と同じ木材や漆喰を使うことができますが、外壁や

開口部は当時とは違った材料を使うことが多くなります。

本来ならば外壁には土壁、開口部には木製建具なのでしょうが、現代

では竹を編んだり土壁を塗ったりする職人さんは少なく、またそこまで

手間をかけて造ってほしいという施主さんもあまりいません。

それよりも機能的であることの方が望ましいのが現実です。

開口部はアルミまたは樹脂のサッシ、外壁には断熱材を敷設して外部には

防水の処理といった方法をとることがほとんどです。

 

古民家のような土壁の家も雨漏れはすることはありますが、不思議と

少ないです。

外壁などは土壁の上に杉板が貼ってあるだけという家もたくさんあります。

しかし、目立って室内に雨漏れがあるということは少ないです。

これは少しくらい雨水が侵入しても土壁が吸ってしまうということがあります。

現代の家はどの材料も乾式で雨水が浸入すると水を吸収するような材料はない

のですぐに仕上げに影響します。