今日からお盆休みのところも多いかと思います。

当社も今日から休みを取っている社員もいますが、なぜか

社員大工は3人そろって会社に出てきています。

材料の加工や道具の整理をしているようです。

作業後は一緒にご飯でも食べに行こうかと考えています。

 

 

 

 

 

 

最近、古民家に伺うことが多くなりました。

古民家再生協会を運営している関係で「古民家再生総合調査」

も続けて2件させてもらいました。

古民家はどの地域にもあります。

また地域によって若干造り方も違います。

同じ奈良県でも農家さんと町屋でも造りは違います。

しかし、だいたい大きな差鴨居と大黒柱が使われています。

そして天井は「大和天井」といって2階の床が下から見えている造り方です。

この「大和天井」は「ササラ天井」と呼ぶところもあります。

写真の天井がそうですが、ササラというのは2階の床板を支えている

梁材のことです。

木造の家というのは身近にありながら聞きなれない難しい用語が多いですね。

私もこの業界に入った時は業界用語には戸惑いました。

寸法が「尺」「寸」「分」ですからいちいち換算してました。

だいたい私の年代で尺貫法に慣れている人はいません。

 

 

 

 

 

 

古民家は伝統工法と言われる軸組工法ですが、現行の建築基準では

在来工法という造り方をするようになっています。

もちろん伝統工法では建てられないわけではありませんが、建てる

までの手続きが大変です。

伝統工法のことを詳しく知っている人が少ないからです。

 

たまに石場建ての伝統工法で家を新築したいという問い合わせがあります。

大まかな坪単価と手続きにかかる期間をお伝えするとまず、その後の問い

合わせはありません。

おそらく在来工法と同じような施工費、期間で建てられると考えておられる

のでしょうね。

もちろん造り方にもよりますが、坪単価にすれば100万円は軽く超えます。

また適合判定を受けるのに2年ほどかかったという例もあります。

最近はそこまではかからないようですが。

 

伝統工法と在来工法、写真を見てもわかるように伝統工法は明らかに材料

が大きいです。

材料費だけでも明らかな違いがあります。

もちろん構造計算をすればそこまで大きな部材は必要ないかもしれません。

しかし、またその計算が在来のような壁量計算ではできません。

特殊な計算が必要になります。

戦後たくさんの住宅を安価に供給しなければならなくなって現代の在来工法

の家が考えられました。

ですから、伝統工法の家に比べて安く造れるのは当たり前です。

この在来工法の家がなかったら住宅はこんなにたくさん造られなかったでしょうね。

だれもが新築の家を持つという恩恵を受けることができるようになりましたが、

それが今では余りつつあります。

解体廃棄処分される家もたくさんありますが、それ以上に余ってきているのが現状です。

在来よりも伝統の方が当然古い家が多いはずですが、なぜか残存率は古民家の方が高いです。

長持ちするから、古民家に魅力を感じる人がたくさんいるからなんでしょうね。