平屋の家です。
敷地に余裕があれば欲しいという人が増えています。
平屋建ての家は2階に部屋がないので間取りの自由度が高いです。
2階に部屋があると耐震基準を満たすために間仕切りや外壁の下
にはある程度の壁が必要になります。
地震の被害が出たときに言われる「直下率」と言われるものです。
壁量を満たしている家でも直下率が低いと倒壊の恐れがあります。
普通、家の間仕切りなんかどこにでも造れるように、またどこで
も外せるように思われますが、実際は色々制限があってあまり簡単
付けたり外したりできるものではありません。
柱もそうです。
これがプランの打ち合わせでぶつかる障害です。
「この柱を取ってほしい」「この部屋は8帖欲しい」「収納をこっち
にずらしてほしい」
平面図だけを見ているとこのような要望が出ます。
しかし、基本的に2階に柱があればその下にも柱がある、2階に壁が
あれば1階にもその下に壁があるのが構造として理想です。
特に家の角になるところは壁があった方が計算上もバランスの上でも
構造に有利です。
壁が少なければ倍率の高い壁を造れば計算上は成り立ちますが、家全体
のバランスを考えれば決していいものではありません。
平屋の家はそのような点で制約が少なくなります。
また、階段は要らないというメリットもあります。
しかし、2階建ての家に比べていわゆる坪単価は高くなります。
20坪の平屋の家と総2階の40坪の家では基礎と屋根の大きさは
同じです。
平屋だからと言って安い基礎はありません。
坪数が半分でも基礎と屋根にかかる工事費は同じですから坪単価
は高くなります。
以前35坪くらいの平屋の家を建てさせてもらったことがあるの
ですが、平屋でこれくらいの坪数になると横方向の移動が多く
なります。
部屋の向こうに「まだ部屋があるのか」といった感じでした。