作業場で大工さんが墨付け・手刻みをしています。

これは通し柱というもので1階から2階まで通る長い柱です。

6mあります。

太さはわかりにくいですが、8寸(24㎝)ですから結構太い

です。

基準高さを墨付けしています。

大工さんというと数字は何でも尺貫法を使う人が多いですが、

若い大工さんはやっぱり現行のメートル法です。

ミリ単位まで表示してあります。

 

この家は、設計士さんに設計してもらっている家で現代の在来

工法と伝統工法が混じったような構造になっています。

完全な伝統工法にしたいところですが、適合判定等の手続きが

大変で許可が下りるまで半年から1年くらいかかることがある

そうです。

構造計算は伝統工法に基づいていて筋かいは使わず、金物もでき

るだけ少なくして貫という水平部材を使って耐力を取っています。

継手や仕口も雇い竿シャチ栓といった特殊な継手を使います。

土台の下にももう一つ根固めというものも使います。

合板や筋違を使って家を固めて地震の力に対抗するか、貫や荒壁

を使って揺れはするけれども倒壊しにくい造りにするかの違いです。

この伝統的な工法による家づくりは数は少ないですが、残していこう

としている設計士さんはたくさんいます。

大工さんの刻みがもう少し進んだらまた継手や仕口を掲載させてもら

います。

 

話は変わりますが、

私はもう尺貫法でもメートル法でも慣れましたが、業界に入ったころ

はこの尺貫法が苦手でした。

大工さんに言われるたびに頭の中でメートル法に換算していました。

スケールもセンチと尺のメモリがついたものを持ち歩いていました。

尺貫法計量法で証明や取引に使うことは禁止されましたが、今でも

日常的に使われます。

お酒の一升瓶や家の広さを表す坪などです。

部屋の広さなどは畳の枚数で表すことが多く、畳2枚で1坪ですから

わかりやすいです。