上棟して間もない現場に来ています。

屋根じまい・外部しまいをしているところです。

和瓦の屋根で軒裏は化粧垂木になっています。

家は構造あってこそです。

もちろんデザインや使い勝手も大事ですが、構造は後から

手を付けることはできません。

構造見学会もしていますが、やはり見に来る人は少ないです。

「見てもわからない」というのが正直なところだと思います。

しかし、木造軸組みと言ってもいろんな造り方があります。

まず、材料も多種多様です。

当社では「吉野の木」を使っています。

柱は桧、梁などの横架材は杉が多いです。

構造用集成材を使うところもあれば、輸入材を使うところも

あります。

しかし、日本では日本の木がいいと思います。

梁に松を使ったこともあります。

松と言っても米松ではなく日本の赤松です。

松は強い材料で梁には適した材種だと思います。

古民家などは梁は松が多いです。

しかし、松枯れでこの松が採れなくなりました。

ところが東北では今も豊富に採れます。

松は丈夫な構造材ですが、ねじれたり、反ったりします。

ねじれることで仕口や継ぎ手が頑丈にもなるのですが、あまり

激しいと支障をきたします。

完成してから2階の床が盛り上がるといったこともありました。

おそらく製材の仕方もあると思います。

材木屋さんは一本の木からなるべくたくさんの材料を採ろうと

します。

当然のことですが、この採り方によってねじれや反りの具合が

変わるようです。

この辺りは熟練の材木屋さんか大工さんしかわからないかもし

れません。

大黒柱です。

桧で240ミリ角あります。いわゆる8寸角の木です。

なるべく、1本は建てるようにしています。

構造は単なる骨組みですが、わかると面白いものです。

材種もそうですが、柱と柱の間隔が広くなると「これくらい

の梁が必要になるのか」とか、この場合は「こんな継ぎ方を

するのか」「こんな金物を使うのか」など、どうやって部屋

を形作っているのかがわかります。

当社では手刻みをしていますが、プレカットとの違いもあり

ます。

これは古材の丸太を使っています。

材種は松です。

やや曲がってますが、これも自然の木のいいところです。

「古いと強度は大丈夫なのか」と思うかもしれませんが

針葉樹は数百年単位で強度は増していきますから、切ったすぐの木

よりも強度があります。

集成材は造ってすぐは強度はありますが、経年で強度は落ちていき

ます。

構造にも興味を持ってもらえば、家づくりも楽しくなると思います。