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写真は木工事完了時に私がいつも検査することです。

レーザーで水平と垂直を確認しています。

家を造る時、上棟時には下げ振りという器具を使って

中心となる柱が垂直に立っているかどうかを確認しながら

仮筋違という木で固定して建て方を進めていきます。

水平は基礎工事の段階で、レベルで基礎の職方が確認をします。

と言っても完成時点ですべての個所が完全に水平・垂直を保って

いるわけではありません。

そこには施工誤差もあって2ミリから3ミリ程度の不陸や傾きが

生ずることがあります。

写真の検査は最終段階でのチェックです。

大工さんも同じ器具を使って作業をしているので、2ミリ・3ミリ

といった傾きは今のところ経験がありませんが、2,3ミリの不陸は

可能性があります。

特に2階など、1階に大きな部屋があると大きな梁で床を支えるのですが、

この梁が自重で下がることがあります。

床の傾きは、おおむね5/1000を超えると「瑕疵」とされます。

8帖の部屋で約20ミリの傾きです。

私はやや傾きには敏感なのですが、あまり気が付かない人もいるようです。

これくらいになると明らかに前のめりになったり、やや登っているような感覚を受けたりします。

また、長くそのような家に住んでいると慣れてしまうのかあまり気にされていないように思うこともあります。

やはり傾きは可能な限りなおした方がいいです。精神的にも。

ジャッキで土台を持ち上げる、基礎ごと改良するといった大掛かりな工事にはなりますが、ある程度は改善できます。

「床だけ直してほしい」という人もいますが、それも難しい仕事ですし、

壁は傾いたままというのも変形した室内で暮らすことになります。