宇陀松山にある古民家です。

軒桁といって屋根の垂木を受けている太い木ですが、

よく見ると台形の形をした埋木がしてあります。

おそらく死に節と言って穴が開いていたのではないか

と思います。

そこを埋木したんですね。

なぜかというと外部で雨がかかるところなので穴が開

いているとそこから腐るからです。

これは和室の床柱にとりついている長押という部材ですが、

床柱をグルっと回っています。

よくあるのが床柱の正面の途中で止めてある長押ですが、

グルっと回すことで木の木口が見えないようにしています。

そして釘隠しという飾りがついていたのですが無くなって

います。

釘の頭が見えるというのは大工さんの仕事としては許され

ないのでこれを使います。

側面には残っています。

しかしこの釘隠しというのはいい家では本来使いません。

釘を使わずに細工をするのがいい大工さんです。

この家はいい仕事がしてある家ですから、釘は使っていなくて

飾りだけをつけたのではないかと思います。

床の間の違い棚です。

普通は2段で「床上り」と言って床柱の方を上に付けます。

しかしこの違い棚は3段ついています。

ガイドさんが言うには「雲」を表しているのだそうです。

そういわれてみればわずかに波打っていてそのように見えますね。