「石庭」といえば竜安寺の石庭が有名です。

水を使わずに山水の風景を表現している枯山水の庭園です。

その広さはほぼ小学校にある25mプールとほぼ同じです。

庭石には「小太郎・口二郎」と刻印されていますが、作者

とは断定できないようで作者は不明です。

この竜安寺の石庭には15個の石が立ち並んでいますが、どの

角度から眺めても必ず1個はほかの石に隠れて見えないよう

になっています。

どうしてか

七五三説

石は東から五と二、三と二、三 と七五三に並んでいてすべて

を足すと15.

15は完全を表す数字で1個は見えないように造られている庭は

「不完全な庭」ということから「足りないものを見つめて今の

自分が存在することを感謝することを忘れてはならない」

という思いが込められているそうです。

虎の子渡し説

配置された石が川を渡る数匹の虎に似ていることから名付けられ

ました。

中国の説話に基づいたものですが、虎が子を産むと必ずヒョウが

1匹混じっているというもので、ヒョウは一緒に生まれた虎を食

べようとします。

例えば3匹の子供を産んだら2匹が虎で1匹がヒョウ。

母親が川を渡るとき子供の虎をヒョウと2匹だけにしないように

しなければなりません。

母親はヒョウを背負ったまま子供の虎に付き添って川を渡ると

いうものです。

 

私のような凡人には理解を超えた解釈のように思いますが、この

ような説があります。

 

また、この庭は左奥が低くなっていて排水勾配がとられています。

見てもわからないようですが。

そして西側の壁は奥に向かって50センチほど低く造られています。

奥行きを感じさせるために遠近法を利用しています。

これは学生時代に習いました。

この遠近法はヨーロッパのルネサンス期に採用されたものでキリスト

教のおかげで作庭家に伝わったのではないかと言われています。

 

写真は何とか年末に御引渡しさせてもらった古民家のお庭です。