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機械乾燥にかけた木材の断面です。

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こちらは、自然に乾燥してひび割れた木材です。

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伐採したばかりの木材は、びっくりするほどの水分をため込んでいます。

木の繊維だけの重さを1キロとすると水分は1.3キロから2キロ含まれていて

総重量は2.3キロから3キロになります。

この時の含水率が130から200%と表示されます。

乾燥し始めて含水率が27%以下になると収縮が始まります。

細胞水が出ていく含水率です。

乾燥は、平衡含水率と言って空気中の湿度と同じになるまで進みます。

15から17%くらいまで。

収縮が始まると木は反ったり捻じれたり、ひび割れが生じたりします。

このひび割れは強度試験においても強度に影響がないことがわかっています。

柱によく見られる「背割り」と言われる縦方向の切れ目がありますが、

これもひび割れと同じで強度に影響はありません。

背割りが開くことでほかの部分にひび割れが生じないようにしています。

 

ひび割れや乾燥収縮を防ぐには機械乾燥にかければよいといわれます。

しかし、機械乾燥にかけた木はひび割れが中心部に集まります。

また、乾燥するには杉の木で10,000円/㎥位の費用がかかっていると

いわれます。

 

最近よく使われるのが集成材です。

接着製品ですから、よく乾燥したところで使うには支障はないかも知れま

せんが、乾燥や湿潤を繰り返すようなところに使うのはどうでしょうか。

木が伸びたり縮んだりを繰り返しても接着剤には影響しないのでしょうか。

集成材は製造した初期の強度が強いので、強度を宣伝するにはいい材料です。

ただ、接着剤の耐用年数についてははっきりわかりません。

(100年以上としているメーカーもありますが)

また、何もわざわざ手間をかけて作らなくても木は山にたくさんあります。

とある記事で読んだのですが、「集成材の接着離れは木材のひび割れと同じ

で問題ない」と言っている人がいるそうですが、根本的に違います。

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以上は、あくまでも構造材について言えばそうなのですが、実際仕上がって

しまえば、(石膏ボードでふさいでしまえば)どんな材料を使っていても

数十年程度の生活そのものにはなんら影響はありません。