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新築の家の外壁です。

現代の家は外壁は通気工法を取ることになっています。

壁の中に湿気をため込まないようにするためですが、

国によってはこの通気工法は火災時に不利となるために

採用していない国もあるとのことです。

雨が多く、湿度の高い日本独特の工法かもしれません。

この家は特殊な通気工法を採用しているので通気胴縁の

施工方法が多少違っています。

20年から30年前、当時は構造材の柱に直接防水性を備えた

合板を貼って表面を左官で仕上げそして吹き付けで仕上げる

という工法をとっている中小ビルダーが各地にありました。

それでいいと判断していたのでしょう。

建築して2~3年すると窓下にシミが出ることがありました。

私もこの業界に入って間がなく、経験も浅く知識も乏しかったのですが、

これは雨漏れが原因だとされていました。

雨漏れも確かにあったかもしれませんが、ほとんどは壁体内結露だったの

ではないかと思います。

壁の中に入った水分が逃げるところがありませんでしたから。

メーカーもしばらくして気が付いたのではないでしょうか。

グラスウール系の断熱材が普及し始めて間がなかったころのことですから、

メーカーも分からなかったと思います。

今ではグラスウール系の断熱材を使うとしても防湿層を確実に確保してなお

かつ、外壁側に通気層を設けることで対処しています。

ただ、外壁側を合板でふさいでしまうと合板自体は種類によってはあまり通気

しないものもあります。

断熱材の入っている壁体内で通気する方法を取っているハウスメーカーもあり

ますが、家が複雑な形になると通気しきれない部分ができてしまうこともある

かもしれません。

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家を建てるとき断熱材の種類で判断する人もいます。

グラスウール系の断熱材を嫌う人もいます。

確かにいったん水分を含んでしまうとなかなか抜けません。

その点では発泡スチロールのようなボード系の断熱材のほうが安心です。

しかし、どんな断熱材もその機能を果たすには正確な施工方法が一番です。

どんなにいい断熱材を使っていても隙間があれば断熱欠損だけでなく結露の

原因になります。